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なおブログ

音楽、映像、漫画、小説、レビュー

坂本眞一『孤高の人』

なお

 

俺の好きな漫画『孤高の人

 

 

登山家・加藤文太郎の生涯を題材とした小説、を原案とした漫画。全17巻だがあまりの壮絶さに一息に読まされてしまったし、絵も綺麗。

 

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概要をひとことで言えば、一人が大好きな主人公・森文太郎の登山漫画。こう書くと聞こえがいいが、題材としては孤独と社会、人間と自然といったものが扱われていて、全然軽くない。むしろ主人公は孤独をあまりに好むからか社会不適合者であり、真面目に働いてはいても周囲とうまく馴染めずにいる。

 

 

 

といっても最初の3巻は高校生編なので、ただ暗い転校生の主人公とまわりの人間という感じで進んでいく。体裁は青春学園モノであくまでスポーツとしてのクライミングへの目覚めといった印象。主人公も、周囲を拒絶する割には案外仲良くやってたりして微笑ましい。しかしある事件がきっかけとなって、4巻以降(社会人編)全体の雰囲気がガラリと変わっていく。主人公は社会の中でまともにコミュニケーションできる人として扱われることもなく、ひたすら山に没頭していく。このあたりの空気感、ストイックさは非常に面白いし、他の漫画で見たことがない。森くんが社会から逃れる場所は、山しかなかった。何もかもを犠牲にして(本人にはおそらく犠牲にしてるつもりもないだろうし、なんなら楽だろうが)山に没頭する姿は、なんか分からんが来るものがある。

 

 

俺の好みもそうなんだが、重いテーマが好きな人や、心にトラウマを抱えた人、社会にうまく馴染めないと思っている人にはいいと思う。俺はハッピーエンドが腑に落ちないので、そういう方向ではめちゃくちゃ面白い漫画だと思う。

 

 

なお